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設計者に望むスキルとしての「コスト感覚」

2016年04月01日

 

先日、ある外資系企業様の研究所新築計画のコンストラクション・マネジメント業務として設計者選定を支援させていただきました。
現在2ヶ所に分散している、基礎研究施設と商品開発施設を統合し、研究開発の効率化および発注企業様の情報発信、集約の拠点とすることを目的としての新築計画です。

発注企業様にとっては、新たな企業のシンボルとしての建物であることも望まれており、最適なパートナーとしての設計者を選定したいとの要望です。
発注企業様は化学工業系の企業ですので、建設事業での選定や発注、推進に慣れた方はいません。
そこでプラスPMにご相談があり、まずは設計者の選定を支援させていただきました。


まず、コンストラクション・マネジメント会社としてプラスPMが行ったことは

1.設計者に望むコトの整理と共有

2.選定基準の明確化と共有

3.選定方法、スケジュールの提案

4.新研究所に望む施設基準

です。


研究所という施設用途、企業のシンボル的な施設としたいという発注企業様の要望もあり、選定の目線は意匠性と設備に関する理解度と提案力に主眼が置かれる傾向がありますが、プラスPMからは、設計者のコスト感覚を評価のひとつに加えることを提案させていただきました。

設計者には、要求される性能を満たし、発注者の要望する建物を意匠性や技術力によって設計を進めるだけではなく、発注者様の予算のなかで、要望を満たした設計ができることを望むことにしたのです。
というのも、設計者の多くは建設費についての意識が低く、意匠性を重視することや、発注者に言われたことを図面化するだけという傾向があるからです。

今回のプロジェクトは、設計期間を約10ヶ月と想定しています。
昨今の建設費の動向を踏まえますと、この10ヶ月の間に建設物価が変動する可能性は高く、設計を開始した時点で予算内の収まっている計画でも、途中で予算超過してしまう可能性があります。

コスト感覚のある設計者と無い設計者では、設計の進め方に違いがあり、その結果は建設工事の発注段階に明らかになります。

コスト感覚のある設計者は、建設市場を取り巻く外部環境にアンテナを張り、計画に影響がありそうであれば代替え案を提案し、予算内に収めようとします。
一方、コスト感覚の無い設計者は、前述しましたように意匠性を重視することや、発注者に言われたことを図面化することが主になり、建設コストが変動していることすら知らずに進めてしまいます。


結果は明らかです。
コスト感覚が無いまま設計を進めると、予算を超過する。
そして予算内に収めるために設計変更をするのに、労力と時間を費やしてしまう結果となります。
このようにならないためのスキルを、コンストラクション・マネジメント会社として設計者選定時の評価のひとつとさせていただきました。

その選定手法については、またの機会にご紹介させていただきますが、現時点でわかったことは、やはりコスト感覚のある設計者の提案は論理的であり、パートナーとして信頼できそうであり、コスト感覚の無い設計者は、その場限りの小手先の提案や信憑性の無い提案になっているということです。

これから建設事業をスタートする事業主様も、一度この「コスト感覚」を設計者選定の要素の一つとして加えてみてはどうでしょうか。


 


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