工場物流倉庫研究所コスト削減
 

ランニングコスト

2017年04月01日

 

建設コストの削減を検討するときランニングコストを意識されていますか?

今回はランニングコスト削減について解説します。

建設コスト=イニシャルコストを削減する手法として、VE(バリューエンジニアリング=質、機能性を落とさず価格を下げる設計改善提案)やCD(コストダウン=質、価格とも下げる設計変更)があります。

しかしながら、CDによるイニシャルコストの削減は問題が伴います。

ここで大事なポイントがあります。
安易にコストダウン(仕様のグレードダウン)をしてしまうと、完成後の建物を運用、維持するための費用=ランニングコストの増加につながります。
例えば、断熱材の仕様や厚みを落とすと室内の断熱性能が低下し夏場、冬場の冷暖房負荷に影響が出て、その結果光熱費が上昇します。
このように、イニシャルコストとランニングコストは相関関係にあります。
建物の一般的寿命は40年から50年程度と言われ、その期間、常にランニングコストは発生し続けます。
50年間で試算しますと、ランニングコストはイニシャルコストのおよそ34倍になると言われています。

 

代表的なランニングコストは下記の通りです。

・水光熱費(上下水道代、電気代、ガス代等)

・保守点検費(定期点検費、メンテナンス委託費等)

・清掃費(清掃会社委託)

・修繕費(更新費)

事業計画を進める中で重要な取り組みとして、イニシャルコストを確認しながらランニングコストを低減させることを設計段階において総合的に検討することが大切です。

では、どのようにランニングコストの低減を設計に反映すればいいのでしょうか。

具体的なランニングコスト低減案を紹介します。

1)水光熱費の低減
①電気代低減
・外壁や屋根廻りの断熱性能を高める。
室内の熱負荷を低減することにより空調(エアコン)効率が向上し電気代が低減できる。

・人感センサースイッチを採用する。
使用頻度、感知範囲を検討した上で、消し忘れ防止により電気代が低減できる。

②水道代低減
・自動センサー水栓を採用する。
使用頻度、感知範囲を検討した上で、出し放し防止により水道量の低減ができる。

・雨水利用
植栽の水やりに利用することで水道量の低減ができる。


2)保守点検費の低減
・複数の建物を所有している場合、エレベーターメーカーを統一することにより、法定保守点検費が低減できる。

・保守点検が必要な設備機器(例えば受水槽や給水ポンプ、熱源機器、エレベーター、発電機等)が複数ある場合、個々の保守点検会社を1社にまとめて保守点検契約することで低減ができる。

・設備消耗品(空調換気フィルター、照明灯具等)について、市販品を採用する。特殊な部品による割高なランニングコストを低減できる。

3)清掃費低減
・ワックス不要の床材を採用する。
定期的な床ワックス掛け費用が低減できる。
ただし、一般のワックス掛けが必要な塩ビシートに比べてイニシャルコストが高くなるため、床面積、ワックス掛け頻度等を検討する必要があります。

4)修繕費低減
・屋根、外壁仕様について高耐久性のものを採用することにより低減を図る。
ただし、一般的に高耐久性の仕様はイニシャルコストが高くなる。
建物は一般的に20年程度で大規模な修繕が必要になるが、使用する仕上材によっては10年足らずで修繕が必要になる。
特に屋根、外壁は修繕の際、足場費用が必要となり割高になる。
よって、仕様を決定する際にはイニシャルコストと10年目、20年目、30年目の修繕工事を想定したコストシミュレーションを行うことが重要である。

5)その他
・エレベーター
イニシャルコストと30年間のランニングコスト(法定点検や保守点検費)を合算してメーカー選定することでトータルでコスト低減ができる。


ランニングコスト削減について一般的な考え方や取り組みについてご紹介させていただきました。
ランニングコスト削減は長期的なコスト削減であり、短期的なイニシャルコスト削減に比べてなかなか見えにくい側面を持っていますが、非常に大切なポイントです。

イニシャルコストのみならず、ランニングコストを含めた総合的な費用の把握は、近年における経営意思決定の重要な要素となっています。

プラスPMのコンストラクション・マネジメントは発注者側の立場に立ち、コスト、品質、スケジュールの最適化による建設事業の推進支援を行います。

事業施設(ホテル、工場や研究所、物流施設等)において、多数の新築や増改築、改修計画のイニシャルコスト、ランニングコスト低減を含めたコストマネジメントの実績のあるプラスPMにぜひ一度ご相談ください。


 


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