病院建設コスト削減
 

計画の初期段階にこそ、SPDの検討を

2017年05月01日

 

『SPD』とは、Supply  Processing  Distributionの略で、病院内の物品や物流の管理・運営システムのことを指しますが、いまや部門の名称もしくは部屋名と同一化して語られるようになるほど、建築の計画の初期段階において検討するべき重要な課題となっています。

経営的な視点でのSPD導入のメリットは、院内物流に関する厳密な原価管理、在庫管理、業務の効率化を図ることにより、ムダなスペースが削減され、イニシャルやランニングコスト削減への効果が高いことや、職員のマンパワーの低減を図ることで、業務効率が上がり、患者サービスの提供に注力でき、顧客満足度や院内の安全性の向上することにあります。

病院建設の基本構想段階において、こうしたSPDのメリットを期待しながらも、実際にはどこからどう手を付けていったらよいのかわからないという病院様から相談を受けることが増えてきましたが、最近ある案件において、平面計画がある程度進んでいるにもかかわらず、不安を抱えてられてアドバイスを求められるケースがありました。

このケースでは、設計を進めるうちにSPDシステムと建築との整合性に齟齬がひろがり、計画が混乱する状況となっているようでした。

SPDシステム導入に際し課題となるのは、「院内供給物品の在庫量とスペース」、「院内各部門への搬送方法と動線」ですが、これらは建築計画におけるゾーニングや動線、部門面積やエレベーターを始めとする搬送設備、さらには電子カルテシステムとの密接な連動とおおきく絡むために、関係する病院内の各部門の合意形成を、きちんと踏まえた上での設計与条件の設定が重要なのですが、このケースでは、その合意形成が不十分だったために、設計の進捗ともない、破綻が起こったと考えられます。


こうした破綻を防ぐためには、以下のポイントをまず院内にてしっかり議論し、結論を共有化することが重要です。

1)SPDシステムの管理範囲:物品だけでなく、薬剤や医療機器、リネン類などを
  どこまでSPDシステムの対象とするかのと責任体制の確定

 

2)物品の管理スペースの位置と方法:在庫は院内に倉庫を計画するのか、
  院外倉庫等にて
管理するのかの方針

 

3)物品情報の管理方式と搬送方法:バーコードシステムなどの導入による
  定数管理方法の選定。
搬送は職員なのか外部委託か、搬送機器を用いるのかなど

 

1)、2)における決定は、スタッフステーション、手術室、中央及び各部署の倉庫、そして部門面積に影響します。
3)の職員か外部委託かの決定は、エレベーターの位置、供給関連諸室のゾーニングに大きく影響します。


病院で扱う「物品」は、薬剤、医療材料、日用雑貨、検体、滅菌物、ME機器、リネンなど、多種多様で部門によって量も質も異なります。
その管理を部門毎の要求でなく、横断的かつマクロな視点で考えることが重要です。

しかし、SPDシステム(サービス動線)を重視するあまり、医療関連の動線やゾーニングが犠牲になるようでは、本末転倒です。

来院者に利用しやすい1階部分は、搬出入にも利便性が高いわけですが、とはいえサービス動線の効率性を優先し、サービス関連の部門で占めてしまうのもバランスの悪い計画となりますし、地下に設けるというのもコスト的には最適な解決方法とは言えないでしょう。

既にITの活用や、外部委託の効果的な運用により、サービスゾーンの画一的な集約化にこだわる必要は、少なくなってきていると思われます。

SPDシステムを計画の早い段階で検討することにより、ゾーニングと動線の優先順位を決め、プラン及びコストにおいて、もっとも効果的でバランスの良い選択をすることが可能となります。


建築的な対応を踏まえたSPDシステムの導入について、どう進めて良いのかをお悩みでしたら、コンストラクション・マネジメント(CM)会社として、数々の病院プロジェクトを経験し、開業までをしっかりとアドバイスできるプラスPMに、是非一度ご相談ください。