お客さまの声/病院 

診療を行いながら解体と改築を進めるウルトラCを実現しました.

医療法人財団 立川中央病院


立川中央病院は、東京都立川市に建つ、ベッド数115床、医師20名、看護師40名の中堅病院です。平均外来患者数は1日280名~300名。昭和20年の創設から60年以上が経っていたこの病院の改築を、なんと病院の診療を続けながら、部分的に解体・改築を進めているプロジェクトが進行している。現在は、工事の第一期が終わったところだ。今回は、立川中央病院 総務課 施設課 (病院建設準備室兼務)課長代理の菊池岳司様に、プラスPMに建設コンサルティングを依頼した経緯と、その評価について詳しくうかがいました。 
2013.03

 
— 立川中央病院の改築、現在どのような状況なのでしょうか。
 
菊池:立川中央病院は、現在、病院全体を改築中です。工期は3年の予定。1年半前に工事を開始したので、現在、ちょうど半分(第一期)が終わった折り返し地点です。
  通常、広い敷地に2~3棟の建物がある大病院の場合、その改築の工事ステップは、大きくは「一棟ずつ解体して、一棟ずつつくる」ことになります。しかし、立川中央病院は駅近くの住宅密集地に、住宅と隣接して1棟だけ立っているため、そうした工法が使えませんでした。また当院は、地域密着病院なので、他の場所に引っ越すことができません。今いる場所で建物を建て替えることが必須条件になりました。そこで、プラスPMの提案を受けて、次のような、「半分ずつ解体して、半分ずつ作る」という手法を構想しました。
 

 
菊池:工事は現在、下の工事ステップの(4)の時期です。新たに完成した半分の新病院で医療活動を行いながら、その隣ではもう半分の解体の真っ最中です。
 

 
— このような工法に前例はあったのでしょうか。
 
菊池:プラスPMによれば、前例が少ない、まれな工法だそうです。しかし現在、工事はすべて順調に進んでいます。プラスPMの助力もあり、コストや品質、スケジュール、近隣との調整など、いずれも適正に進行しています。病院の完成まで、あと1年半ですが、私は必ず上手く行くと確信しています。

病院は何のためにどうあるべきか、
「基本構想」から考える

— そもそもどのような経緯で、プラスPMに建設コンサルティングを依頼されたのですか。
 
菊池:理事長が病院の改築を決意したのは、今から13年前、2000年頃のことでした。しかし、当院には、病院の改築について、経験やノウハウがある人はいませんでした。これでは改築を「決意」できても、それを「現実化」することが困難です。さらに「どんな病院を作れば良いのか」「費用がいくらかかるのか」「費用は妥当なのか」「工期はどれぐらいが適正なのか」が分からないので、話が全く前進しません。結局、この状態が10年以上続き、設計や工事にとりかかることができませんでした。一度、設計事務所に設計を依頼したことがあったのですが、思うような成果が得られず、結局キャンセルに。そこまで支払った設計料は「授業料」と割り切るしかないという結果に終わりました。
 しかし、この問題はプラスPMの起用により、解決しました。勉強会などに参加する中で、プラスPMのセミナーに、偶然出会ったことがきっかけでした。最初に着手したのは、「基本構想づくり」。建替え後の病院を「立川市民のために、どんな病院にしたいのか」「どんな病院であるべきなのか」という、そもそも論、あるべき論を共に議論し、それを元に「基本構想」を策定しました。さらに、それに基づきプラスPMが「予算」と「事業スケジュール」の原案を作成し、病院改築はぼんやりした願望から、一気に「現実の計画」へと動き始めました。

プラスPM ここがポイント!

まず「基本構想」をきちんと決めることができれば、残りの「予算化」「スケジュール化」は、私たちのこれまでの30年間積み上げてきたノウハウを元に、迅速に作成することが可能です。このプロジェクトでは、「基本構想」ができてから、「予算」「スケジュール」を策定するまでに要した期間は、60日でした。


ポテンシャルを引き出す、
設計事務所選定の支援

— 「基本構想」「予算」「スケジュール」を策定した後は、設計事務所の選定でした。設計事務所は6社が候補に上がり、各事務所への基本構想の伝達など「コンペの仕切り」をプラスPMが実施しました。
 

   設計作業の進行中に用いたチェックシート

菊池:私たちだけでは、設計事務所に対し、私たちの基本構想を、「相手に分かる言葉」で説明するのは難しかったと思います。 プラスPMが、私たちの希望を「技術的・専門的な言葉」に置き直して、伝えてくれたのはありがたいことでした。結果、「基本構想」を伝えたところ2社が辞退。最終的に4社でコンペを行いました。
 プラスPMからは、設計事務所のプレゼンを採点するための、採点方法が提案されました。またプレゼンの後には、それぞれの設計事務所の提案について、「基本構想と整合性がとれているかどうか」「提案の長所と短所」などについて客観的な説明がありました。それらの判断材料を元に、最終的に、病院側にて、今回の改築の設計を依頼する設計事務所を決定しました。契約書の締結に際しては、プラスPMから「この項目は盛り込んでおいた方が、病院側のリスクを回避できますよ」といった助言があり、助かりました。そして9カ月後に、設計図が完成しました。

プラスPM ここがポイント!

 コンペの際、私たちは「参考見解」を述べるだけです。どの設計事務所が良いかというような「推薦」はしませんし、コンペの採点にも参加しません。
 今回の場合、設計事務所選定の段階では「半分ずつ建てる」という工法を構想していることはあえて伝えませんでした。もしかしたら設計事務所の方から、より優れた提案が出るかもしれないと期待したからです。実際、設計事務所からは私たちの構想を上回る良いアイディアが提案されました。
 また、「契約書の内容確認」は、私たちのような建設コンサルタントが施主の皆様に大きくお役に立てる場面です。設計事務所や建設会社と取り交わす契約書には、病院側のリスクについては「あいまい記述」になっていることが多いですが、私たちが入ることでそういう状況を避けることができます。


プラスPMがいたからこそ、
不要なコスト上昇を防げた

— 実施設計図ができあがった後、次は実際の工事を施工してもらう総合建設会社の選定でした。候補会社の選定と手配はプラスPMが行い、一次審査を通過した候補は10社。その後、2社が辞退したので、候補は8社に絞られ、最終的に総合評価方式で、ある大手建設会社に工事を依頼することが決まりました。
 
菊池:その会社を選んだ理由は、価格と工期が適性であったこと、工法実現の技術や近隣配慮について納得のいく提案があったことと、そして最も大きな理由として、工事責任者のI氏の誠実な人柄がありました。I氏には、責任をもって工事を完遂させるという気概が、言葉の端々から感じられたのです。 工事が始まってからも、互いに忌憚なく意見を述べ合うことができました。良い建設会社、良い工事責任者に巡り会えたと思います。
  設計事務所や建設会社や選定においては、プラスPMの助力により、「コストの上限」を腹案として持てたことが有益でした。また、 工事の進行中も「プラスPMがいること自体が、不要なコスト上昇を防いだ」という効果がありました。
 
— 今、工事の第一期を終えたところです。できあがった施設については、どのような感想を持たれていますか。
 
菊池:とにかくとても美しい外観になりました。待合室も広くなりました。手術室は一室増え、リハビリ用の部屋も広くなりました。RedCordという最新のリハビリ器具も導入できましたし、「微酸性電解水を館内に噴霧する設備」など、感染対策のための設備も整備できました。以前の立川中央病院は、正直なところ、部屋が狭く、天井が低く、重苦しい雰囲気だでした。しかし、新しい病院は、広く、明るく、快適です。 限られた予算の中で、これだけ品質を確保できたのは、プラスPMの綿密な全体計画とコスト管理のおかげだと思っています。
 

病院と建設会社の間で、
翻訳することの大切さ

— 工事がはじまるときには、どのようなことが一番不安でしたか。
 
菊池:正直に言いますと、私たち一般の発注者が、建設会社に工事を依頼するときに恐れることは、「伝達間違い、認識違い、言葉のすれちがいによるトラブル」です。また、仮に予算とスケジュールを守られたとしても、その分、工事品質が低下しては意味がありません。プラスPMがいてくれたことで、工事品質の維持について、無言の抑止力、いわゆる「にらみが聞く」という状況がつくれたことは大きな価値でした。
 
— 工事がはじまると実際には、二週間に一度、「建設会議」を開いています。出席者は立川中央病院側からは、理事長をはじめとする主要関係者15名、建設会社側からは現場責任者1名、設計事務所から2名、そしてプラスPMから1名の計19名です。
 
菊池:会議の目的は、「工事中に生じた問題について話し合い、解決策を見つけること」です。工事は、はじまってからも色々なことが起きます。「ここはおかしい」「変更したい」「これを加えて欲しい」「これは最初の話と違う」など。建設会議では、これらの問題について、喧々囂々と話し合います。 
 この会議でのプラスPMさんの立場は、「病院側のリスクを最小限にとどめ、建設会社と調整する」というものです。私たちは医療のことは分かっても、建設のことは分かりません。しかし、いくら建設に知識が無いとはいえ、良い病院を作るためには、簡単に妥協はできません。コンセントの位置ひとつであっても、譲ってはいけない局面があります。
 そんな緊迫する議論の際に、プラスPMという「建築に専門知識を持つ味方」がいてくれたのは大変、心強いことでした。毎回、激しい議論になり、時には病院と建設会社が「対立的」になる局面もあります。そんなとき、プラスPMがある種の第三者として「緩衝剤」の役割を担ってくれ、議論を着地点に導いてくれるのはありがたいことです。
 どの場面でもそうですが、プラスPMさんがきちんと通訳してくださるのは、大変助かりました。建設会社の皆さんはエンジニアなので、専門用語をそのまま使うことがよくあります。しかし、私たちは、そのたびに話している内容がさっぱり分からないことがあります。そんなときに、プラスPMが分かりやすく解説してくださるのです。

プラスPM ここがポイント!

 私たちは、厳密には「第三者」ではありません。しかし、議論が対立的になった際は、第三者的な立場をとりつつも、一方で「病院側のリスクが最小限になる」よう、議論の着地点を模索するように務めています。
 また議論を重ねていく上で、翻訳は大切なことのひとつです。たとえば、建設会社の皆さんは「山留め」「腹おこし」「根切り」「構台」「ハト小屋」といった専門用語を使います。一般の人には、意味を推測することすらできないこのような言葉を、病院の人たちにも分かる言葉に「通訳」しています。
 ちなみに、実は、逆に建設会社の方から「病院の人が言っていることが分からない」と相談されることもあります。そんなときには、「病院の人がやりたいことは、建設業界の言い方でいえば、つまり○○、●●、★★ということだよ」と説明して、通訳するように務めています。通訳は、病院と建設会社の両方にとって必要なことなのです。


診療現場と工事現場のマメな連絡、細かい連携

— 今回の建て替えの際は、「医療活動継続」が大きなポイントでした。
 
菊池:病院とは「体が弱っている人がそれを治しに来る場所」です。その施設を「半分ずつ壊して、半分ずつ建てる」わけです。それには、患者さんへ震動、騒音、粉塵その他で迷惑をかけないよう、十分な注意を払う必要があります。患者さんへの迷惑を最小限にするには、建築技術、工法はもちろん重要ですが、実はそれと同じぐらいに重要なのが「マメな連絡」と「細かい連携」です。
 たとえば「3日後には、Aの部屋に手術を終えたばかりの患者さんが入る」から「Aの部屋側の工事は早く終わらせよう」というように、診療現場の情報を、工事関係者と医療関係者が細かく共有しあいながら、綿密に段取りを組むことが重要です。そういった情報の共有は、週一回の「定例会議」で行いました。「議論」ではなく、「細かい情報共有を通じての、問題の予防」をするために、立川中央病院から3名、建設会社から4名、設計事務所から3名、プラスPMから1名の計12名で行っています。
 定例会議では、ひたすら地道な情報共有と段取り策定を繰り返します。プラスPMの会議への参加と助言により、地道な段取りが確実に構築できています。
 

病院関係者へのアドバイス
コンサル費用をかける価値

— 病院の改築のために建設コンサルタントの起用を検討中の方々に、アドバイスなどあればお願いします。
 
 医療関係者にとって、病院の改築は、一生に一度、関わるか関わらないかというもの。誰もが「初心者」です。当初、私たちは自力で暗中模索し、数千万円を使い、ある設計事務所に依頼しましたが、良い結果を得ることができませんでした。その後、運良く、プラスPMという建設コンサルティング会社を知り、仕事を依頼した結果、こうして工事は順調に進んでいます。
 もちろん建設コンサルティング会社を起用すれば、費用はその分余計にかかります。しかしその費用によって、「コスト削減」「品質向上」「工期遵守」の効果を得ることができます。
 病院の改築を進めるには、建設の専門知識やノウハウが必要ですが、そうした知識やノウハウを持つ人は、建設会社や設計事務所など、施主である私たちと利害が対立する側にしかいないものです。しかし、そんなときにプラスPMのような建設コンサルティング会社は「業界知識を持つ専門家」として、病院側の味方でいてくださいます。病院の改築という、失敗が許されない大事業を完遂する上で、これ以上心強いことはないでしょう。
 さらにプラスPMについて言えば、豊富な知識や優れた交渉力に加え、コンサルタントの人柄が非常に気さくで何でも相談できます。私は担当のMさんとは何度も飲みに行きました。プラスPMを起用した場合は、ぜひ何でも気軽に相談することをおすすめします。