コンストラクション・マネジメント 株式会社プラスPM

お客様の声生産・物流施設

目的は「次世代を元気づける」こと。
日本ジッパーチュービング社の
工場移転・統合プロジェクトに迫る

日本ジッパーチュービング株式会社日本ジッパーチュービング株式会社

日本ジッパーチュービング株式会社

1972年創業の日本ジッパーチュービング株式会社は、配線結束保護チューブ、EMI(電磁波障害防止)対策部品の製造販売における国内最大手企業です。2022年に創業50周年を迎えました。
2023年3月、日本ジッパーチュービング株式会社は西神工業団地にあった2工場を神戸市の複合産業団地へ移転・統合し、新たなスタートを切ります。この移転プロジェクトは社内公募により「RIZING.PJ」(Renewal & Integration of ZTJ to Inspire Next Generation)と命名されました。プロジェクト名には「日本ジッパーチュービングの次世代を元気づけるために行う工場の統合とリニューアル」という意味が込められており、社内一丸となって進められてきました。
限られた予算と、税制優遇制度活用のためのタイトなスケジュールの中、工場移転統合プロジェクトはどのように実現したのか。日本ジッパーチュービング株式会社 代表取締役社長の竹内史郎氏と執行役員の山澤信氏にお話を伺いました。

従業員が「働きたい!」と思う工場を自ら作る統合・移転プロジェクト

日本ジッパーチュービング株式会社 代表取締役社長 竹内 史郎 様

日本ジッパーチュービング株式会社
代表取締役社長 竹内 史郎 様

2023年3月、神戸市が整備を進める「神戸テクノ・ロジスティックパーク(神戸複合産業団地)」に、日本ジッパーチュービング株式会社の神戸工場が誕生しました。それ以前は、神戸市西区内の西神工業団地に2つの工場を構えており、この2工場の統合・移転を検討し始めたのは2014年のことでした。


日本ジッパーチュービング株式会社 執行役員 管理部 山澤 信 様

日本ジッパーチュービング株式会社
執行役員 管理部 山澤 信 様

「2014年の3月に前社長、前々社長、そして私と管理部の責任者、計4名での工場建て替えについての話し合いがありました。その時点で、西神の2工場は操業開始から2、30年が経過していて、老朽化が課題となっていました。また、それぞれの工場の中も手狭になっていて、通路に物がはみ出している状態。これでは安心・安全な操業は難しいですし、新しい商材を作る場所も確保できません。さらに、2工場が微妙に離れていて、資材をいちいち運搬する必要がありました。そこで、親会社の弘栄貿易に統合・移転の相談をするようになりました」(竹内様)


しかし当時は許可が下りなかったため、既存工場のレイアウト変更や、外部倉庫を借りるなどの工夫で当面の課題をしのいでいました。2019年になって再び統合・移転の話が持ち上がり、本社の許可も得られたことで、プロジェクトが前進し始めました。後に「RIZING.PJ」(Renewal & Integration of ZTJ to Inspire Next Generation)と命名される統合・移転プロジェクトのスタートです。

プラスPM 藏岡 秀至,平野 明弘

プラスPM
左:コンサルタント 藏岡 秀至
右:シニアコンサルタント 平野 明弘

「プロジェクト名をつけたのには理由があります。当時の工場は古く、増築を繰り返した関係でつなぎ目なども多く、決して"気持ちが上がる場所"ではなかったんですよね。ですから新工場は、既存の社員には"今までとは違う!"と、新しい人たちには"ここで働きたい!"と思ってもらえる場所にしたかったんです。そこで、執行部など限られたメンバーだけで進めるプロジェクトではなく、全社をあげてより良い場所を作るためのプロジェクトと位置づけて、プロジェクト名も全社から公募しました。その結果、社員案で決定したのが、この『RIZING.PJ』というネーミングです」(竹内様)

#

新工場 玄関ポーチ

税制優遇制度の活用を見越したスケジュール

順風満帆にスタートしていったRIZING.PJ。と、思われましたが、具体的に進めていくうちに次々と課題が発生しました。

「最初は、自分たちだけで移転できると思っていました。要望をまとめて建設会社を選べば済むことだと。しかし、移転先として狙っていた土地が公募に出たと聞いて神戸市に相談に行ったとき、"図面を出してください"と言われたので、自分のイメージを描けばいいのかと思ったら、"ちゃんと建設会社に書いてもらったものを出すように"と言われたのです。そこで複数の建設会社の話を聞きに行ったのですが、設計・施工とか、そういうレベルから分からないわけです。ここで、素人だけでは無理だということに気づきました」(山澤様)

そこで伴走役として白羽の矢が立ったのがプラスPMでした。
さっそく、プロジェクトの実現に向けて活動を開始。神戸市との話し合いにも同席しました。神戸市には企業誘致を目的とした税制優遇制度があります。不動産取得税、固定資産税の減免など、かなりの効果が期待できます。しかし、この制度を利用するには市の中核事業認定を取るなどの準備が必要でした。さらに土地取得後も、半年以内に実施計画申請を行い、その後土地購入から1年以内に工事を着工するというルールもありました。そのため、プロジェクトには高度なスケジュールマネジメント力が求められました。
プラスPMは全体のスケジュールを引き、中核事業認定を取る準備を進め、結果的に神戸市、そして兵庫県の事業認定までも獲得することができました。並行して建設計画の要件を整理し、建設会社のコンペを実施。税制優遇制度活用のため、タイトなスケジュールでプロジェクトを進める技術力があることも条件に加え、建設会社を選定しました。

#

2021年 設計・施工者選定当時のパース画像

従業員が自ら作り上げた「自分たちのための工場」

土地も、建設会社も決定し、いよいよ全社をあげてプロジェクトが動き出しました。
経営陣が目指したのは、「明るくて、気持ちが良くて、みんなが働きたいと思う工場」であることと、「2工場に分かれている不便さの解消」でしたが、それを満たせば、あとは従業員自身で自由に考えてほしいということで、細部のデザインはほとんど従業員の希望に任せたそうです。

「たとえば共有スペースや会議スペース。私たちが考えてしまうと、昔ながらのオフィスのイメージしか湧きません。そこで、従業員に任せたところ、みんな生き生きと進めてくれました。中にはカーペットの品番まで覚えた従業員もいたくらいです。会議室は、従業員の意見で部屋ごとに異なる色を基調にデザインすることになりました。中には真っ赤な部屋もあります。提案されたときは"赤い部屋なんて大丈夫なの?"と不安になりましたが、お客様の反応はとっても良いですね。私の意見が通ったのは、食堂の照明の形くらいです」(竹内様)

#

左:竹内様こだわりの照明を設置した、広々とした社員食堂
右:従業員拘りの赤い会議室。写っていないが置かれたスツールも赤い。他に緑、青、黄の会議室も存在する

内外から評価される新工場の誕生

こうして完成した新工場は、以前の2工場と比べ、工場の延床面積でいえば2.2倍、敷地面積でいえば3.1倍の大きなものになりました。

「広くて明るくて、作業しやすいし雰囲気も良い。そんな工場に生まれ変わりました。面接や商談に来られた人からの評判も上々です」(竹内様)

ガラス張りの明るいエントランスと製品の展示スペース。従業員の希望が詰め込まれた働きやすいオフィス空間、広くて明るいテラス付きの食堂、そして、広々とした通路を確保した明るい工場。将来的に新しい製品を開発することを見込んだフリースペースも確保できています。

#
#

エントランスには製品展示のスペースが設けられており、来訪者は自由に見学することができる

「とにかく広くなりましたので、なかには万歩計をつけて工場内を歩いている従業員や、昼休みに工場の外をジョギングしている社員もいます。工場の横は林になっていて、自然も多く、気持ちが良いです」(山澤様)

また、これを機にオフィススペースはフリーアドレスにしたそうです。社長の意向として、「帰宅時は机の上をきれいにしてノートパソコンや筆記用具、私物などは置かない運用にしたい」と伝えたところ、従業員からフリーアドレス導入の声が上がり、採用する運びになったとのこと。

「当初は、フリーアドレスの導入までやるのは極端じゃないかと思いました。しかし、従業員の意向ならということで任せることにしました。実際にフリーアドレスを導入している企業を見学に行ったり、積極的に情報収集をしていましたね。結果的に、以前は部署ごとにバラバラになっていたのが、開発の隣に品管が座っていたり、コミュニケーションが活性化しました。集中したい人は窓側の席に行ったり、立ったまま作業したほうが効率の良い人はスタンディングデスクに行ったり、それぞれ好きなところで仕事をしています。ゴミ箱も、机に一つあるものだと思いこんでいたのですが、事務所で2箇所にしたら非常にスッキリしました」(竹内様)

#

フリーアドレスを機にオフィススペースも大きくイメージチェンジカーペットの貼り分けにも従業員のこだわりが詰まっている

働く人の声を最優先した結果、みんながいきいき働ける環境が整いました。 オフィスゾーンだけでなく、工場にも働く人の声がたくさん反映されました。スペースが広くなってゆったり作業ができるようになったそうです。照明も明るくして、作業しやすく雰囲気も良い環境が整いました。断熱パネルを入れたため、夏は涼しく、冬は温かいことも、従業員から喜ばれているそうです。

「当初は"自分たちだけでできる"と思っていましたが、振り返ってみると、プラスPMに相談して良かったというか、相談していなかったら工場はできていなかったでしょうね。専門家として、色々なことを先回りして予見し準備をしてくれました」(山澤様)

こうして完成した日本ジッパーチュービング社の新工場。「次世代を元気づける」という宣言のとおり、働く人がいきいきと活躍できる環境を整えて、今日も日本中、そして世界中に商品を届けています。

#

担当者から

「従業員一丸となって新工場を作り上げる」お手伝い

プラスPM
シニアコンサルタント

平野 明弘

お客様の念願であった2工場統合移転のプロジェクトに当初から参画させていただきました。この参画が、お客様の思いを形にするためには、信頼関係が重要であると再認識するきっかけとなりました。
プロジェクト開始時は社会的環境が不安定な時期であり、建設業界も影響を受けている状態でしたので様々な課題が発生しました。しかし、お客様が社内で結成したRIZING.PJメンバーと打合せを積み重ねていくことで、プロジェクト初期からスムーズな意思疎通を行えたため、課題をより良いかたちで解決することができました。

プラスPM
コンサルタント

藏岡 秀至

プロジェクト推進にあたっては、お客様が熱意をもって社内検討や意思決定にあたり、それに最大限応える建設会社様の姿が常にありました。
当社では、お客様の建設事業目的や運用を見据えたニーズ等を整理・明確化し、ハードへ落とし込むサポートを行いました。また、建設会社様と意見を交わし、課題解決に至る手法等、円滑な事業推進に向け様々議論を重ねました。特にコストマネジメントにおいては、建設費高騰が著しい中、お客様、建設会社様双方がご納得いく方針や進め方を早期に共有し、ベクトルを合わせた結果、当初予算内竣工を行うことができたと考えています。
関係者の皆様と共に事業に携われたことは得難い経験となりました。あらためてお礼申し上げます。

建築概要

工事名称日本ジッパーチュービング株式会社RIZING.PJ
事業主日本ジッパーチュービング株式会社
工事場所兵庫県神戸市西区見津が丘6丁目
敷地面積15,918.83m2
建築面積6,260.84m2
構  造鉄骨
階  数地上2階
延べ面積12,062.91m2
コンストラクション・マネジメント株式会社プラスPM
設計監理髙松建設株式会社一級建築士事務所
施  工髙松建設株式会社
工  期2022年4月~2023年3月

プラスPMについてもっと詳しく知る

  • プラスPMの強み

    プラスPMの強み

    プラスPMのコントラクションマネジメント(CM)の特徴や、CMについてを解説しています。

  • 導入の流れ・費用

    導入の流れ・費用

    プラスPMのコンストラクションマネジメントの導入までの流れと、費用についてご覧いただけます。

  • 会社案内

    会社案内

    プラスPMの会社概要・アクセスや主要取引先、沿革やトップメッセージをご覧いただけます。

  • Q&A・最新情報

    Q&A・最新情報

    よくあるご質問や建設発注に関するコラム、資料ダウンロードなど、お役立ち情報をまとめています。

プラスPMへのお問い合わせ

当社コンサルタントによる初期ヒアリングは無料です。まずはお客様のご要望をおうかがいいたします。

電話

受付時間 平日9:00~17:00
(夏期休業および年末年始を除く)

当社サービスに関するお問い合わせ専用の番号となります

ページトップに戻る